日本胃癌学会总会,1962年に東京都で開催され、1997年の第69回を最後に日本胃癌学会に継承されました。多様な分野の研究者が一同に集まり、国民病とも言える胃癌の撲滅に向かって努力して参りました。疫学によるエビデンスの蓄積、早期発見のための診断能精度の向上、拡大根治手術のみならず機能温存手術を目指した外科治療の発展、化学療法の進歩などにより胃癌患者の救命率は格段に向上しました。同時に内視鏡治療、腹腔鏡下手術や機能温存手術などの低侵襲治療は治療を受けた方々のQOL改善に寄与していることと思います。
今回のテーマは「温故知新」とさせていただきました。胃癌の研究、治療は猛烈な勢いで進歩してきましたが、一度立ち止まって今までを振り返り新たな一歩を踏み出す糧にすることも必要ではないかと思いました。また、同時に触れ合いを重視した心のこもった一人ひとりを大切にする暖かい医療を進めていきたいものです。
もう一つのテーマを「アジアからの発信」とさせていただきました。アジアのまとめ役としてアジア諸国の団結を促し、日本の優秀な医療を提供していくとともに、胃癌に対する診断・治療の成果を世界に向けて発信していきたいものです。
第82回日本胃癌学会総会では、940題を超す演題と共にインターナショナルセッションでは韓国を中心に約80題の演題をいただき、全体で1000題を超す演題をいただきました。
「義と愛」の精神が強く根付いている新潟の地にてスタッフ一同、先生方および医療スタッフの皆様方の来新を心よりお待ち申し上げております。荒海で名高い日本海に面した冬の新潟ではありますが、皆様方の情熱と熱意で活気ある実り多い学会にしていただきたいと願っております。